アレッサンドロ・ミケーレとは?

2015年よりグッチオ・グッチが1921年に創立した超有名ブランドGUCCIのクリエイティブ・ディレクターに就任したのが、アレッサンドロ・ミケーレである。

“鬼才”と評されるアレッサンドロ・ミケーレは、その抜群のセンスで就任以降グッチに革命を起こしている。さらにファッション界そのものの流れを大きく変えたともいわれています。

ミケーレがグッチに入社したのは、2002年に当時グッチのクリエイティブ・ディレクターを務めていたトム・フォードに才能を見出されたのがきっかけで入社。

それ以前は、フェンディのシニア・アクセサリー・デザイナーとして腕を磨いていました。

入社後は、2006年にレザーのデザイン・ディレクターを務め、2011年には前クリエイティブ・ディレクターのフリーダ・ジャンニーニに次ぐアソシエイト・クリエイティブ・ディレクターと着実にキャリアを積み重ねていきます。

ミケーレの転機

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2015年ミケーレに転機が訪れます。当時クリエイティブ・ディレクターであったフリーダ・ジャンニーニとCEOが退任し、新CEOにマルコ・ビッザーリが就任すると、ジャンニーニの後継者探しが始まります。そこで白羽の矢が立ったのがミケーレでした。ビッザーリはミケーレの持つ感性やビジョンに目をつけると、2015-16年秋冬コレクションの開始まで1週間というところで、今まで用意されていたジャンニーニのコレクションを撤回し「ミケーレにやり直させる」というチャレンジに踏み出したのです。

この1週間というあまりにも短い時間に中で、ショーピースの準備、ランウェイの構成、モデルのキャスティング、シーティングまでを1週間でこなせという無謀すぎる挑戦を、ミケーレは見事にやり遂げ、新生GUCCIともいえる奇抜で独自の存在感があるコレクションを見事に発表し、グッチの新クリエイティブ・ディレクターとして鮮烈なデビューを飾りました。

ミケーレが生み出す作品は、過去にトム・フォードやフリーダ・ジャンニーニが作り上げてきたグッチとは一線を画すものになっていた。今までのエレガント・ラグジュアリー・モダン・クラシカルといったラグジュアリーブランドの殻を打ち破るような、デコラティブで様々な要素が入ったアイテムの数々は、ミケーレの思い描く新生GUCCIを周囲に印象付けるには十分すぎるほどの衝撃を人々に与えました。

FAKE GUCCI

Good Spirits

また、ミケーレが周囲を驚かせた革新として外すことができないのが、トレバー・アンドリューやダッパー・ダンとのコラボです。トレバー・アンドリューは元プロスノーボーダーであり、2013年から2014年にかけてグッチのロゴを無許可でストリートに描いていた“グッチゴースト”とも呼ばれたアーティスト。ダッパー・ダンは、80年代にニューヨークのハーレム地区で様々なラグジュアリーブランドのロゴを使い自己流にアレンジしたアイテム「ブートレグ(著作権を侵害した非合法の商品)」を作成・販売していた作り手です。

アンドリューもダンもストリートカルチャーの世界で、グッチの名前を無断で乱用していた者。そういった彼らをフューチャーしコラボレーションするということは、長いファッション史でも前代未聞の出来事でした。

ミケーレ就任以降、グッチの世界観は今にないほどの広がりを見せ、

様々な層へと受け入れられるようになりました。