カール・ラガーフェルドの死去
カール・ラガーフェルドは1983年から2019年2月に亡くなる数日前までシャネルのアーティスティック ディレクターとして最前線で指揮を取り続けたカールの革命的なデザイナーとしての足跡を追える人物は一体存在するのだろうか?フランスのメゾン、シャネルはカールの訃報に際し、ラガーフェルドの右腕だったヴィルジニー・ヴィアールが彼の跡を継ぎクリエーティブ部門を担当することを発表した。ヴィアールが跡を継ぐことによって、「ガブリエル・シャネルとカール・ラガーフェルドのレガシーが生き続ける」
後継者ヴィルジニー・ヴィアールとは?
ヴィアールは、1987年にCHANELのオートクチュール刺繍部門にインターンとして入社。これはカールがクリエイティブ・ディレクターに就任して4年目のことだった。ヴィアールをモナコ大公レーニエ3世の執事が彼女を推薦したそうだ。
シャネルでカールと共に30年に渡り仕事をして来た彼女は、1992年にカールがChloéのデザイナーに就任したことをきっかけにChloéに移り、5年間在籍した。その後オートクチュールのコーディネーターとしてCHANELに戻り、2000年にCHANELの既製服の部門も担当するようになった。
カール・ラガーフェルドの側近として
ヴィアールはインタビューに『私の仕事はアトリエとメティエダールのスタッフと共にカールのスケッチからコレクションに命を与えることなんです。』と語っている。
続けて『私はチームを作り、素材の供給者らと彼らをつなげ、生地を選びます。そしてもちろん、カールと共にフィッティングを行います。カールからスケッチを受け取った瞬間からこの過程が始まります。カールが喜ぶ顔を見るために頑張りますけど、彼の驚く顔を見るのも好きなんです。』とも語っていた。
ヴィアールとカールはとにかくずっと話していたという。そして毎日のように顔を合わせ、スマホにもスケッチやイメージの連絡が来ていたという。
最後に『私たちは共犯者なんですよね』と付け加えた。
『7デイズアウト』でカールはヴィアールについてこう語っている「ヴィルジニーは私だけではなく、アトリエや全てにとって最も大切な人なんだ。彼女は私の右腕で、隣にいなくても常に電話で会話をしている相手なんだ。」と。
クチュールショーでカールの代わりに登場しお辞儀
当時のCHANELの発表によれば、カールは疲労の理由で、パリで開催されたクチュールショーを欠席したと報じられていました。そして、モデルのヴィットリア・チェレッティと共にヴィアールはショーのラストにカールの代わりにステージに登場し、挨拶をした。また、2018年12月にニューヨークで開催された18/19年パリ ニューヨーク メティエダール コレクション及び10月にパリで開催されたビーチがテーマの2019年春夏のプレタポルテ コレクションの終わりにもカールと共にステージに登場し、挨拶をしている。
CHANELのアーティスティックディレクター”ヴィルジニー ・ヴィアール”
2021年クローズコレクションでは、新たなコレクションとロックダウン解除後の新しい世界のあり方との間で整合性をとるために細心の注意を払いながら、ヴィアールは発想の出発点になったカプリ島のイメージを大切にし、今回のクルーズコレクションのテーマを「Balade en Mediterranee(地中海をめぐる旅)」とした。
このコレクションは新たな出発点の一つである。
ヴィアールはカールから強い影響を受けているが、彼女は独自の一貫性を持ちデザインをしている。彼女はすでに将来を見据えて、CHANELとは何なのかという自らのヴィジョンを形にしているのです。
今後の彼女を筆頭とした新たなCHANELに期待が高まります。